赤ちゃんのミルク作りに「ウォーターサーバー」は必要?常温水の活用法

赤ちゃんのミルク作りをする際、「ウォーターサーバーの水は安全なの?」「常温でそのまま使っていいの?」といった疑問を抱えるお母さんも多いのではないでしょうか。
特に、赤ちゃんには安全性の高い水を与えたいと考える一方で、ウォーターサーバーの導入が本当に必要なのか迷うこともあるはずです。
この記事では、赤ちゃんのミルク作りにウォーターサーバーを活用する際のポイントや注意点、厚生労働省が示す基準、さらにおすすめのウォーターサーバーについて詳しく解説します。この記事を読むことで、安全で効率的なミルク作りのヒントが得られるでしょう。

ウォーターサーバーの常温水で直接ミルクは作れる?

常温水で粉ミルクを作れるか疑問
結論:常温水でミルクを作ることは絶対にNG

「常温であることがNG」の理由ですが、その前に、水の種類や安全性についても理解しておく必要があります。
厚生労働省は赤ちゃんに与える水について、以下のポイントを推奨しています。

ミルク調整用の水
硬水より軟水のものを。「加熱殺菌済みベビー用飲料水」が便利。

詳しく説明します。

•水質基準:赤ちゃんにはミネラル分が少ない「軟水」が適しています。
これは、硬水に多く含まれるミネラル分(特にカルシウムやマグネシウム)が赤ちゃんの胃腸に負担をかける可能性があるためです。

•安全性の確保:加熱殺菌が行われた水、または加熱が必要な水(湯冷ましが必要な場合)が推奨されます。
ウォーターサーバーの水でミルク作りに利用する際は、ミネラル分が少なく、消化器官への負担が少ない軟水仕様の赤ちゃん向けの基準を満たしているかを製品ラベルや公式サイトで水質情報を確認することが大切です。

これらの基準を満たしていればウォーターサーバーの水でも、安全に使用できますが、メーカーの仕様を必ず確認しましょう。

湯冷ましでそのまま使っても安全?注意点を解説

ウォーターサーバーの水を赤ちゃんのミルク作りにそのまま使用する際には、安全性を十分に確認する必要があります。 赤ちゃんの体は非常に繊細で、使用する水の品質が直接的に健康に影響を与えます考える可能性はあります。そこで、まずは加熱処理の有無を確認しましょう。
一部のサーバー、特に天然水を使用したモデルでは、採取中に加熱殺菌が行われていない場合があります。そのため、加熱処理がされない水使用の場合は、必ず一度煮沸してから湯冷ましとして使用することが推奨されます。

ウォーターサーバーは慎重に比較し、ショッピングモールで即決したりせず赤ちゃんにも家族にも最適な製品を選ぶようにしましょう。

水で割るのは大丈夫?リスクと対策

赤ちゃんのミルクを水で割ることは手軽に感じられるかも知れませんが、安全性を確保するためには注意すべきポイントがいくつかあります。
まず、こちらをご覧ください。

サカザキ菌もサルモネラ菌も、乾燥した粉ミルクの中で増えることはありませんが、生存は可能です。
つまり、開封後の粉ミルクに混入して、長い間生存することも考えられます。(サカザキ菌は乾燥した粉ミルク中で 1 年以上生存したという報告もあります。)

横浜市が公表した資料によると赤ちゃん用の粉ミルクは、製造過程での衛生管理が徹底されているとはいえ、使用時に雑菌が存在する可能性はゼロではありません。

そのため、ミルクを作る際には熱湯殺菌が推奨されています。
こちらをご覧ください。

FAO/WHO のリスク評価(FAO/WHO、2006 年)によると、70°C 以上の湯で PIF を調乳する場合、粉乳中に存在している E.Sakazakii についてはこの温度で死滅することから、リスクは劇的に減少する。
このリスク低下レベルは、授乳時間が長くなった場合(つまり、2 時間まで)や、周囲の室温が 35°Cに達する場合であっても維持されるものである。結果として、70°C 以上の湯で PIF を調乳することで、全ての乳児-食の遅い乳児のみならず、調乳した粉ミルクを冷蔵することが容易には出来ないような
温暖な地域(例えば、発展途上国)の乳児であっても-に対するリスクを劇的に減少させることになる。
70°C に満たない湯で PIF を調乳する場合、PIF 中に存在する E.Sakazakii を完全に不活性化させるのに十分な温度には到達していないことになる。こ

厚生労働省の資料によると、粉ミルクの使用時には基本的に70℃以上の熱湯で溶かすことが推奨されています。その理由は、粉ミルクには付着した細菌が存在するため、熱湯を使わずに常温水で直接溶かしてしまうと、雑菌を生きたまま体内に取り込んでしまい、赤ちゃんの健康を損ねるリスクが考えられるためです。

そのため、必ず熱湯で一度溶かしたミルクを適温まで冷やしてから、常温水や冷水で調整するのが安全です。
手順としては一度熱湯でミルクを完全に溶かし、その後適温まで冷やしてから、水で調整するという流れです。
こうすることで、細菌をしっかりと除去した上で、赤ちゃんが飲みやすい温度に仕上げることが可能です。
そのため、ウォーターサーバーの水が清潔で軟水であったとしても、粉ミルクに雑菌が入っている可能性がゼロではない以上、常温の水で粉ミルクを溶かすことはやめましょう。

ウォーターサーバーは赤ちゃんに必要か?

赤ちゃんのミルク作りを効率的に行う方法を考える中で、ウォーターサーバーの導入を検討するお母さんやお父さんも多いでしょう。 確かに、ウォーターサーバーにはミルク作りの手間を減らし、育児を楽にするなどのメリットがあります。

まず注目したいが、冷水、常温水やお湯がすぐに使える便利さです。
赤ちゃんが泣いてミルクが欲しかったとき、湯を沸かして冷ます時間は意外とかかります。
でも、ウォーターサーバーがあれば常温の水や適温の湯をすぐに利用できます。
これは、夜間の授乳時や時間のない朝に特にたすかります。
また、忙しい育児の中で「一手間を省ける」という安心感は、精神的な余裕を生むきっかけにもなります。

さらに、ウォーターサーバーが提供する水は、基本的に高い安全性を保っています。多くの製品で、赤ちゃんの消化器官に優しい軟水が使用されており、厳しい水質管理のもとに供給されています。そのため、安心してミルク作りに使えるのはもちろん、赤ちゃんの健康を守る上で非常に便利なアイテムといえます。

一方で、ウォーターサーバーの導入が必要かどうかは、家庭ごとの事情や育児にかかられる予算、そしてミルク作りの負担をどの程度軽減したいかという点も考慮すべできすから、「湯冷ましを作れば十分」という意見もあり、家庭の状況や予算に応じた判断が必要です。

赤ちゃんに適した「ウォーターサーバー」の選び方

浄水型ウォーターサーバーと天然水の違い

赤ちゃんに適したウォーターサーバーを選ぶ際には、「浄水タイプ」と「天然水」の2種類の特徴をしっかりと押さえておくことが重要です。それぞれの違いを、家庭や赤ちゃんのニーズに合った選択をすることで、安全かつ便利に活用できます。

浄水型:水道水を浄水して使うタイプ

水道水を直接浄水して使用するタイプです。このタイプの最大のメリットはコストパフォーマンスの良さです。水道水を活性炭などのフィルターでろ過して浄水にするため、ボトルの配送や交換が不要な場合が多く、ランニングコストを抑えられます。
また、赤ちゃんのミルク作りに適した軟水を簡単に準備できる大きなものがあります。 なお、浄水性能やフィルター交換の頻度については、メーカーごとに異なるため、購入前にしっかり確認する必要があります。

天然水:自然水源から採取された水ボトルで供給するタイプ

基本的に加熱殺菌が行われた軟水が多く、安全性の高さが特徴です。 赤ちゃんに適したミネラル分の少ない水が多いのは事実ですが、一部の天然水にはカルシウムやマグネシウムのようなミネラル分が豊富に含まれている場合もあります。 そのため、赤ちゃんの腎臓に負担が掛からない軟水であるかどうかを、事前に成分表示で確認することが大切です。また、2~3週間の間隔で水ボトルをウォーターサーバーに設置したり、屋内に運び込む手間がかかるため、簡単さを求める場合は注意が必要です。

赤ちゃんにおすすめのウォーターサーバーを選ぶポイント

近年、ウォーターサーバーは、安全でおいしい水を手軽に利用できることから、子育て中の家庭で人気が高まっています。特に、ミルク作りに最適な温度のお湯をすぐに用意できる点は、忙しいママやパパにとって大きな魅力です。ウォーターサーバーがあれば、赤ちゃんに必要なときにいつでも安全な水が使え、ミルク作りや離乳食作りが楽になります。

さらに、買い物に行く手間が省けたり、災害時の備蓄水としても役立つなど、様々なメリットがあります。しかし、ウォーターサーバーの種類は豊富で、それぞれに特徴があるため、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、赤ちゃんにおすすめのウォーターサーバーの選び方をわかりやすく紹介します。

安全性、温度設定、使いやすさ、設置タイプ、子育てプランの有無、赤ちゃんに適した水の条件なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。

安全性

•水質: 赤ちゃんの内臓機能は未発達なので、ミネラル含有量の少ない軟水がおすすめです。天然水、浄水、RO水など、水の種類も確認しましょう。

•チャイルドロック: 温水コックにチャイルドロック機能が付いているか確認しましょう。誤って熱湯が出てしまうことを防ぎ、安全性を確保します。

•衛生面: ボトル交換の頻度や、サーバーのメンテナンス方法なども確認しましょう。自動クリーニング機能があると、より衛生的です。

温度設定

•ミルク作りに最適な温度: 70℃以上のお湯でミルクを作ることで、粉ミルクに含まれる細菌を殺菌できます。70℃〜80℃に設定できるウォーターサーバーを選びが、ミルク作りに最適です。

•温度調節機能: ミルク作りだけでなく、お茶やコーヒーなど、用途に合わせて温度調節ができる機能があると便利です。

使いやすさ

•給水: 片手で簡単に給水できるウォーターサーバーは、赤ちゃんを抱っこしながらでも操作しやすく便利です。
•ボトル交換: ボトルの重さや交換方法も考慮しましょう。女性でも簡単に交換できる軽量ボトルや、下置きタイプのサーバーもあります。

設置タイプ

ウォーターサーバーには、主に床置きタイプと卓上タイプの2種類があります。
床置きタイプは、容量が大きく、安定感があるのが特徴です。
一方、卓上タイプは、コンパクトで置き場所を選ばないというメリットがあります。設置スペースや、必要な水の量などを考慮して選びましょう。

子育てプランの有無

ウォーターサーバーの中には、子育て中の家庭向けのプランを用意しているメーカーもあります。これらのプランでは、水の料金が割引されたり、特典が付く場合があるので、確認してみましょう。

赤ちゃんにおすすめのウォーターサーバー3選

数あるウォーターサーバーの中から、上記の条件を満たし、赤ちゃんがいる家庭におすすめのウォーターサーバーを3つ紹介します。

1. フレシャス Slat

フレシャス Slat
HP:https://www.frecious.jp/slat/

フレシャス Slatは、グッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュなウォーターサーバーです。赤ちゃんに優しい機能が充実しており、特にミルク作りに役立つ点が魅力です。

•水の種類: 天然水
•温度設定: 5段階の温度設定が可能 (冷水: 約5℃、7℃、10℃ / 温水: 約70℃、85℃) エコモードで70℃に設定すれば、ミルク作りに最適です。
•安全性: チャイルドロック機能付き
•使いやすさ: 軽量パックを採用し、女性でも簡単に交換できます。また、足元ボトル式なので、交換時の負担を軽減できます。
•メンテナンス: ボトル交換時に、受水棒周りの水気を拭き取るなど、簡単なメンテナンスが必要です。ドリップトレイやコックキャップも定期的に清掃しましょう。
•子育てプラン: フレシャスでは、子育てファミリー応援キャンペーンを実施しており、1歳未満のお子様がいるご家庭は、お水の価格が割引になるなどの特典があります。
フレシャス Slatは、温水の温度を70℃に設定できるため、粉ミルクの調乳に最適です。また、軽量パックを採用しているため、女性でも楽にボトル交換ができます。

2. アクアクララ アクアファブ

アクアクララ アクアファブ
HP:https://www.aquaclara.co.jp/fab/
アクアクララ アクアファブは、グッドデザイン賞を受賞した、シンプルでおしゃれなウォーターサーバーです。コンパクトなデザインなので、置き場所を選びません。

•水の種類: RO水
•温度設定: 冷水 (5℃~12℃)、温水 (80℃~90℃)
•安全性: チャイルドロック機能付き
•使いやすさ: 収納型ウォータートレイを採用し、様々な容器に注水しやすい設計です。
•メンテナンス: 定期メンテナンスは不要ですが、ボトル交換時や日常的に、サーバーの清掃を行う必要があります。
•子育てプラン: アクアクララでは、「子育てアクアプラン」を提供しており、2年間、サーバーレンタル料が割引になります。
アクアクララ アクアファブは、80℃~90℃の温水が出るので、赤ちゃん用のミルク作りにも安心して使えます。また、子育てアクアプランを利用することで、費用を抑えることができます。

3. クリクラ Fit

クリクラ Fit
HP:https://crecla-t.com/index.html
クリクラ Fitは、業界最スリムサイズ17のウォーターサーバーです。 コンパクトでスタイリッシュなデザインなので、お部屋のインテリアにも馴染みやすいでしょう。
主な特徴
•水の種類: RO水
•温度設定: 冷水 (約5℃)、温水 (約80℃) 再加熱機能付きも選べます。
•安全性:チャイルドロック機能付き
•使いやすさ: スライド式の水受けトレイを採用し、高さのある容器にも注水しやすいです。
•メンテナンス: 1年に1度の定期メンテナンスで、サーバーを新品に交換してくれるので衛生的です。
•子育てプラン: クリクラでは、「SMILEキッズプラン」を提供しており、6歳までのお子様がいるご家庭は、お水の宅配料金が割引になります。
クリクラ Fitは、温水温度が約80℃なので、ミルク作りに適しています。また、再加熱機能を使えば、さらに高温のお湯を使うこともできます。

メーカー 商品名 水の種類 温度設定 チャイルドロック メンテナンス頻度 その他
フレシャス Slat 天然水 5段階 あり 必要 軽量パック
アクアクララ アクアファブ RO水 冷水・温水 あり 必要 収納型ウォータートレイ
クリクラ Fit RO水 冷水・温水 あり 1年ごとに交換 業界最スリムサイズ

ウォーターサーバーを使う際の注意点

ミルク作りの際の手順と注意点

軟水、硬水といった水質以外にも、ウォーターサーバーの水の出口付近は触れないようにしましょう。
また、ウォーターサーバーから哺乳瓶に直接、お湯を注ぐ場合、跳ね返ったミルクが出口付近に付着することはよくあります。

そのため、ウォーターサーバーのお水の出口はこまめにアルコール拭いて清潔に保つようにしましょう。

赤ちゃん以外にも使える?家族での活用方法

ウォーターサーバーは、赤ちゃんのミルク作りだけでなく、家族の日常生活でもそうです。準備が簡単にできるのも嬉しいポイントです。
ちょっとコーヒーを作ろうと思った時でも湯を沸かす手間が不要なので、ストレスフリーで飲めるのは意外と助かります。
また、日々の飲料水としてもウォーターサーバーは便利です。 特に子どもが成長する過程、スポーツ後の水分補給や来客時の手軽なお茶の準備など、用途が広がります。

このように、ウォーターサーバーは家族みんなの生活を楽にする便利なツールです。 赤ちゃんのために導入したウォーターサーバーですが、一度使ってみるとその便利さにずっと使い続けてしまうという家庭も数多くあります。

まとめと結論:赤ちゃんのミルク作りに「ウォーターサーバー」を活用しよう

赤ちゃんが生まれるタイミングで粉ミルク作りのために、ウォーターサーバーを導入しようという家庭は思いのほかたくさんあります。

夜中に赤ちゃんが突然ミルクを欲しがる場面を想像してみてください。 ウォーターサーバーがあれば、湯冷ましやしばらくの手間をかけずに、熱湯と冷水がすぐに用意できます。また、浄水タイプのサーバーを選べば、水道水その場で浄水して利用できるため、コストを抑えつつも高い安全性を確保できます。

水を使用する場合は、天然硬度が赤ちゃんに適しているかを確認することが重要です。
また、家庭の予算や生活スタイルも選ぶのを大切です。

ただ、経験者として言えるのは、ポット型浄水器はあまりおすすめできません。
水をろ過するのに時間がかかるだけでなく、毎日のカートリッジの乾燥や掃除が本当に手間です。

そういう意味では、ウォーターサーバーの導入は、便利さだけでなく、赤ちゃんの健康を第一に考えた育児の選択肢として非常にメリットはあります。
育児の負担を軽減し、家族全員が安心して使える製品を選ぶことで、より快適な子育て生活を実現してください。