赤ちゃんのミルク作りに適したお湯とは?
赤ちゃんのミルク作りには、お湯の温度と衛生管理が重要です。
赤ちゃんの体はデリケートであり、適切な温度で調乳しないと、栄養をしっかり摂取できなかったり、雑菌の繁殖リスクが高まる可能性があります。
WHO(世界保健機関)では、粉ミルクを安全に調乳するためには70℃以上のお湯を使用することが推奨されています。
In general, sterile liquid infant formula is recommended for infants at the highest risk of infection. Where sterile
liquid infant formula is not available, preparation of PIF with water at a temperature of no less than 70 °C
dramatically reduces the risk. Minimizing the time from preparation to consumption also reduces the risk, as
does storage of prepared feed at temperatures no higher than 5 °C.
日本語訳:
一般的に、感染のリスクが最も高い乳児には無菌の液体ミルクが推奨される。
無菌液状乳児用調製粉乳が入手できない場合、70℃以上の水でPIFを調製すれば、リスクは劇的に減少する。
の水でPIFを調製すると、リスクが劇的に減少する。調製から消費までの時間を最短にすることもリスクを低減する。
調製した飼料を5℃以下の温度で保管することである。引用元:乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて【世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)】 参照記事のタイトル
この温度ならば粉ミルクに潜む細菌を死滅させることができますが、赤ちゃんに与える際には適温に冷ます必要があります。
そのため、適切な湯冷ましの方法を知ることは絶対必要です。
ただし、お湯の温度が100℃近くの沸騰状態のように高すぎると、粉ミルクの栄養成分が壊れる恐れがあり、逆に低すぎると消毒効果が不十分になるので注意が必要です。
湯冷ましの重要性と正しい方法
まず、赤ちゃんにミルクを与える際には適温(約40℃)に調整する必要があります。
熱すぎると火傷の危険があり、冷たすぎると胃腸に負担をかけ、お腹を壊すおそれあるため、湯冷ましは慎重に行うことが大切です。
以下の方法で、効率よく安全に湯冷ましを行いましょう。
•氷水を使う方法:70℃のお湯を哺乳瓶に注いだ後、氷水を入れたボウルに浸すことで急速に冷却できます。急いでミルクを作る際に便利です。
•蛇口からの流水に浸す方法:蛇口から流れる冷水を利用し、哺乳瓶を浸しながら冷ます方法。水温をこまめに確認しながら調整できます。
•赤ちゃんが飲める軟水を哺乳瓶に入れる方法:一番早くて一番手っ取り早いのが赤ちゃんが飲める軟水を哺乳瓶に入れて冷ますことです。
なお、氷水を入れたボウルに浸す際、哺乳瓶をクルクルと回転させると冷却効果は非常に高くなり、フツーに氷水に浸す時間の半分ぐらいの時間で冷めます。
赤ちゃんが飲めるよう軟水があれば、直接、哺乳瓶に入れたらすぐに冷めます。
ただ、そういったお水がすぐに用意できない場合にはクルクル回転がおすすめです。
カルキ抜きの必要性と影響
水道水には消毒目的でカルキ(塩素)が含まれていますが、赤ちゃんのデリケートな胃腸に負担をかける可能性があります。
そのため、カルキ抜きを行うことが推奨されています。適切な方法を知り、安全にミルクを作りましょう。
•沸騰後に5分放置する方法:やかんや電気ケトルでしっかりと沸騰させたることで塩素を揮発させることができます。
なお、たまにお湯を長時間沸かし続けることで、より多くの塩素を飛ばすことができるという解説で『フタを開けたまま加熱』を推奨している記事を見かけますが、絶対にやめましょう!
温度調節できるとはいえ、ケトルで70℃以上に煮沸したお湯を万が一にでも被ってしまうと大火傷です。
ケトルのフタは確実に締めてから沸騰させましょう。
電気ケトルで赤ちゃんのミルクを作る方法とポイント
電気ケトルのメリットとは?
電気ケトルは、以下のようなメリットがあります。
•手軽に短時間でお湯を沸かせる
•コストが抑えられ、経済的
•コンパクトで収納しやすい
電気ケトルには、忙しいママやパパにとって嬉しいさまざまなメリットがあります。
例えば、スイッチ一つで素早くお湯を沸かせるため、夜間の授乳時や急いでミルクを準備したいときに便利です。また、ウォーターサーバーに比べて初期費用が抑えられ、コンパクトなサイズなのでキッチンや寝室にも手軽に置けるのが魅力です。
さらに、お湯を沸かす際にだけ電気代かかるので、電気代が抑えられ、ランニングコストを抑えながら経済的に利用できます。
電気ケトルのデメリットとは?
一方で、電気ケトルを使用する際にはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。
•温度調整が難しい
•カルキ抜きの手間がかかる
•湯冷ましの時間が必要
最大の課題は温度調整の難しさです。
適温のミルクを用意するためには、一度沸騰させたお湯を冷ます時間を見計らう必要があり、タイミングを誤ると適温に調整するのが難しくなります。また、水道水を使用する場合はカルキ抜きの手間がかかり、しっかりと沸騰させるプロセスが必要です。
さらに、適温までの湯冷ましの時間も確保しなければならず、急いでいるときには手間と感じることもあります。
赤ちゃんに適した安全対策された電気ケトルの選び方
赤ちゃんのミルク作りに最適な電気ケトルの選び方は以下のポイントを参考にしてください。
•温度調整機能:ミルク作りに適した温度設定が可能
•安全設計:転倒防止や自動電源オフ機能
•素材:プラスチックよりもステンレス製が安心
赤ちゃんのミルク作りに適した電気ケトルを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、温度調整機能が搭載されているか確認しましょう。赤ちゃんのミルク作りには最適な温度が70℃とされており、調整機能があれば一度沸騰させた後、適温に保つことができます。
・転倒した際にこぼれないか
・沸騰したら自動で電源オフになるか
・蓋が緩かったり閉まっていないと煮沸されないか
どの安全設計が施されたモデルを選ぶことで、万が一の事故を防ぐことができて安心です。
さらに、素材にも注意が必要で、プラスチック製よりもステンレス製の方が耐久性が高く、衛生的に使うことができます。また、二重構造のモデルは、外側が熱くなりにくく、火傷を防ぐ効果があります。さらに、コードレスのタイプを選べば、赤ちゃんを抱っこしながらでも安全に扱うことができ、授乳の準備をスムーズに行えます。
加えて、自動電源オフ機能がついたケトルを選ぶことで、忙しい育児の中でも安心して使用することができます。
電気ケトルは便利な半面、赤ちゃんが関係する事故が多いのも事実です。
こちらをご覧ください。
「キッチンの棚(高さ約50cm、引き出すタイプ)に置いた電気ケトルのコードを、つかまり立ちをしていたこどもが引っ張って、ケトルを倒してしまった。ミルクのために用意をした直後の湯がかかり、右脚にやけどを負い、通院が必要になった。なお、ケトルは転倒時に湯が漏れにくい構造だったが、ロックをかけていなかった。」(0歳10か月)
「電気調乳ポットに湯を入れて机に置いていた。ハイハイをしていたこどもが電源コードを引っ張ってしまい、ポットが床に落ちた。湯がかかり、腕等にやけどを負い、通院が必要となった。」(0歳5か月)
「ダイニングテーブルに置いた電気ケトルの電源コードが壁際に垂れており、そこにこどもが引っ掛かって電気ケトルが倒れた。沸騰直前の湯がこぼれ、顔や上半身の広い範囲にやけどを負い、専門施設で治療のための入院が必要になった。ケトルには、転倒時に湯漏れを防ぐ等の安全機能はついていなかった。」(1歳)
私も電気ケトルをテーブルの上に置くと危ないと思って、床に置いていたのですが、私自身が足を引っ掛けて熱湯を床にぶちまけたことがあります。
熱湯は雑巾で拭き取ろうとしても熱くてやけどしてしまうので、片付けがめちゃくちゃ面倒だった記憶があります。
電気ケトルでのカルキ抜きの方法と注意点
カルキ抜きをするためには、以下の方法が効果的です。
•しっかり沸騰させた後、安全な場所に置いて蓋を開けたまま冷ます
•浄水フィルターを併用する
電気ケトルで水道水を使用する際は、カルキ抜きの工程が欠かせません。カルキを取り除くことで、赤ちゃんの健康を守ることができます。
最も効果的な方法として、しっかり沸騰させた後に蓋を開けたまま放置することで、塩素を自然に揮発させることができます。
また、より手軽な方法として、浄水フィルターを併用することで、カルキや不純物を取り除くことが可能です。
ただ、冷ます際にもこぼしてしまう可能性は確実にあります。
そのため、子供が近づかないキッチンの奥に置いておくなど対策はしっかり取りましょう。
電気ケトルで水道水を使う際のポイント
ここで、赤ちゃんのミルク作りに水道水を使用する場合、より安全に利用するための注意点をまとめておきます。
1,しっかりと沸騰させることで、水に含まれる細菌や不純物を取り除く
2、煮沸の時間も重要で、最低でも5分間沸騰を続けることで消毒効果が高まる
3、ケトルの内部を定期的に掃除し、水垢の蓄積を防ぐことが清潔を保つ
また、家庭用の浄水器で作ったお水は不純物が除かれている可能性は高いです。
そのため、より安心できる水を確保できます。
しかし、注意点は浄水器そのものが清潔かどうかです。
浄水器のフィルターやカートリッジは定期的に洗って、しっかり乾燥させましょう。
私はカートリッジをいつも窓際の通気性の良いところで日光に当てて乾かしています。
面倒ですが、毎日、夜と昼の空いてる時間にカートリッジを窓際においてます。
ウォーターサーバーで赤ちゃんのミルクを作るメリット・デメリット
ウォーターサーバーのメリットとは?
•常に適温のお湯が利用可能
•カルキ抜き不要で衛生的
•災害時の備蓄水としても利用可能
シンプルにウォーターサーバーを導入するとミルクを作るストレスがめちゃくちゃ解消されます。
まず最大の利点は、常に適温のお湯がすぐに使えることです。夜中の授乳時でも、ボタン一つでミルク作りに最適な理想的な温度のお湯を用意できるため、ギャン泣きしている赤ちゃんを待たせる心配がありません。
また、ウォーターサーバーの水はカルキ抜き不要で衛生的に管理されており、雑菌や不純物の心配も少ないため、安心して使用できます。さらに、万が一の災害時には備蓄水としても利用できるため、育児中の家庭にとって心強いアイテムです。
ウォーターサーバーのデメリットとは?
•月額費用やボトル交換が必要
•設置スペースが必要
•メンテナンスの手間
一方で、ウォーターサーバーにはいくつかのデメリットもあります。
まず、月額費用やボトル交換のコストが発生する点です。定期的にボトルを購入する必要があり、長期的に見ると経済的な負担が増える可能性があります。
また、設置にはある程度のスペースが必要であり、キッチンやリビングのレイアウトを考慮する必要があります。さらに、サーバー自体のメンテナンスや清掃が定期的に必要で、衛生状態を保つために手間がかかることも理解しておく必要があります。
•70℃以上のお湯が出るタイプ
•チャイルドロック付き
•軟水でミルクに適したものを選ぶ
赤ちゃんのミルク作りに最適なウォーターサーバーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、70℃以上のお湯が出るタイプを選ぶことが必須です。これにより、粉ミルクを安全に調乳し、細菌の繁殖を防ぐことができます。また、赤ちゃんの安全を考え、チャイルドロック機能が搭載されているサーバーを選ぶことで、誤って高温のお湯が出るのを防ぎます。
さらに、赤ちゃんの体に優しい軟水を使用したウォーターサーバーを選ぶことで、消化に優しく、安心して使用できます。
ウォーターサーバーの水の安全性について
•ミルクに適したRO水や天然水の違い
•細菌管理や品質管理の確認
赤ちゃんに適したウォーターサーバーの水には、いくつかの種類があります。特に注目すべきは、RO水(逆浸透膜ろ過水)と天然水の違いです。RO水は、特殊なフィルターを通して微細な不純物や細菌を除去した純水で、赤ちゃんのミルク作りに最適です。
一方、天然水はミネラルが含まれており、赤ちゃんの消化に負担がかかる場合があります。そのため、ウォーターサーバーを選ぶ際には、赤ちゃんに適した水質かどうかを確認しましょう。
また、サーバーの細菌管理や品質管理の基準も重要なポイントです。定期的なメンテナンスやフィルター交換が容易に行えるモデルを選び、衛生的に利用できるかを事前に確認することが大切です。
赤ちゃんのミルク作りに「ウォーターサーバー」とケトルどっちが最適?
ミルク作りにはどっちが最適!?
項目 | ウォーターサーバー | 電気ケトル |
---|---|---|
初期費用 | 0円~ | 5,000~15,000円 |
毎月のランニングコスト | 3,000~6,000円 | 1,000~2,000円 |
手入れ | 月1回ほど | 週1回以上 |
夜間のストレス | 非常に楽 | かなり大変 |
火傷リスク | 低い | かなり危ない |
70℃に調整する手間 | ワンタッチ | 湯冷ましに時間がかかる |
夫婦での子育て | 家事が苦手でも簡単 | 家事が苦手だと大変 |
使い勝手で比較
ウォーターサーバーは、ボタン一つで適温のお湯がすぐに出るため、忙しいママやパパにとって非常に便利です。
特に夜間の授乳時には、時間をかけずにミルクを準備できる点が魅力です。
一方、電気ケトルを使用する場合、ミルク作りには湯冷ましが必要になり、適温まで冷ます手間がかかります。また、水道水を使用する場合は、カルキ抜きの工程も考慮する必要があります。
衛生面で比較
•ウォーターサーバーはフィルター付きで衛生的
•ケトルは定期的な掃除が必要
ウォーターサーバーの水はフィルターを通して浄化されており、衛生的な状態を保ちやすいというメリットがあります。さらに、定期的なメンテナンスにより、安心して使用できます。一方、電気ケトルは使うたびに掃除を行い、水垢や雑菌の繁殖を防ぐことが重要です。特に赤ちゃんの健康を考えると、定期的な手入れを怠らないことが求められます。
電気ケトル派?ウォーターサーバー派? 先輩ママの口コミ・体験談
電気ケトル派の声
「コストを抑えつつ、手軽にミルク作りができるのが良い。」
「湯を沸かすまでの時間が短いとはいえ、夜中にギャン泣きされ続けるとその数分がかなりストレス。それに100℃に沸騰した状態の湯はそのまま使えないから、温度管理に手間がかかるから正直、夜はキツイ。」
ウォーターサーバー派の声
「昼間、子育てに疲れて眠りたい時には、ウォーターサーバーなら夫でも対応できるからめちゃくちゃ助かる!
夜間に赤ちゃんがギャン泣きすると母乳のために起きないといけないというのが無くなったので寝不足が解消された♪」
「うちは粉ミルクを作る時に温度計で温度を測ってたので、70℃で温度調整する手間が減ったってだけでも本当にミルク作りにストレスがなくなった。」
両方使ったママのリアルな意見
「ウォーターサーバーは夜間のミルクと夫がミルクをあげる時専用にして、外出時はポータブルケトルを活用してる。
でも最近はショッピングモールに70℃のお湯がでるサーバーも設置されてるからほぼ手ぶらで外出できる♪」
まとめ|赤ちゃんに最適なミルク作りの方法とは?
コスト重視なら電気ケトル
利便性と夫婦での共同子育てが重視ならウォーターサーバー
ざっくり言えばこんな感じです。
両方の特徴を理解し、ライフスタイルに合わせて選ぶのがベストでしょう。
赤ちゃんに最適なお湯の準備方法を選ぶことで、育児の負担を軽減し、安心してミルク作りができる環境を整えましょう。